Jun 25, 2006

続ソニーネタ、その他 [本,雑誌など]

  • 竹内 慎司「ソニー 本社六階」(アンドリュース・プレス 1400円) ISBN4-90186-26-8
  • 先に読んだ「技術空洞」と対になる(と言われている)もの。こちらは経営企画室に所属した『経営側』の視点。他の会社の空気がある程度判るという事だけでも興味深い。 竹内氏の健全な感覚に救われる人もいると思う。

  • マイケル・ムアコック「メルニボネの皇子」(早川書房 940円)ISBN4-15-011551-6
  • マイケル・ムアコック「この世の彼方の海」(早川書房 940円)ISBN4-15-011551-6
  • 『新版』エルリックサーガの1,2巻。原書の方が新しい作品(真珠の砦、薔薇の復讐など)を含めて再構築されているのに対応して新訳版となったものらしい。 「メルニボネの皇子」には「真珠の砦」も入っていてお徳よ。天野喜孝氏のイラストが無くなったのは残念だけど。

  • ラリイ・ニーヴン「リングワールドの玉座」(早川書房 1000円) ISBN4-15-011559-1
Posted at 23:51 in 本,雑誌など

Geode NXを使ってみた [computer]

  • MiniITXマザーボード LV-668 (28715円 送料込み)
  • Geode NX 1750@14W (6180円)
  • DDR400 SDRAM 512M Sumsung (中古 4480円)
  • ルータとして使っているVIA Edenのリプレースを行った。 LV-668は組み込み用のGeode用ボードで割高だが今まで使っていたケースが使えて、小さくまとまる点を重視して買ってみた。AwardBIOSなのだが組込み用だけあってコア電圧はジャンパピンで設定する。ベースクロックはBIOSで133MHz以上にする機能はあるが下げる機能が無いのが残念。

    キーボードの電圧は電源OFF時も出っぱなしとか、ケースの電源との相性のせいかコンセントのマスタースイッチをOFF→ONにすると問答無用で電源ONになってしまうとか細かいところで不満はあり。それほど大きな問題ではないけど。

    Edenとボードを入れ替えてみる。FreeBSD 6.1-stableを動かしているがpowedは動かない。 dev.cpu.0.freqが無いようだ。何の気なしにFUKUDA Nobuhikoさんのacpi_ppc を試してみると

     cpu0: Px state: P0, 1400MHz, 35000mW, 125us, 125us
     cpu0: Px state: P1, 1200MHz, 30000mW, 125us, 125us
     cpu0: Px state: P2, 1000MHz, 25000mW, 125us, 125us
     cpu0: Px state: P3, 650MHz, 16800mW, 125us, 125us
     cpu0: Px method: AMD K7 PowerNow!
      
    を、動くじゃないか。ちゃんとクロック制御はできている。 cpufreq(4)のPowerNowドライバに問題があるのかな...
Posted at 23:32 in computer

Jun 14, 2006

複眼 [その他]

某日記方面の話題より

複眼はCCDの分割された画素に例えられる場合もあるが、実際には単眼と大きな違いがあるわけではなく複数の光感覚器があり単独でも画像をある程度認識できる構造になっているらしい。複眼の研究はショウジョウバエ等で詳しく行われているようだが、複眼を構成する視神経そのものは動きのある物と無い物を特に区別しているわけではないようだ。

「動く物に反応する」というのはセンサである複眼の特性というよりも、その後の信号処理装置の特性のようだ。

複眼という構造の最大のメリットは開口面積を大きくとりかつ焦点距離を短くすることができることらしい。サイズの小さい昆虫が高感度の視覚を得るためには適した構造ということだ。 ちなみに小林泰三の「ΑΩ」ではプラズマ知性体の「ガ」が地球上で行動するため手に入れた体を戦闘用に高性能化する過程で感度を上げる目的で目を複眼化するという描写がある(ウルトラマンの目は複眼説)。

Posted at 02:10 in その他

AMD64 FreeBSD/amd64 [computer]

ためしに入れてみた。コメントなしで結果だけ書いてみるか。

  • 変数のサイズ
  • #include 
    main()
    {
        printf("size of short %d\n",sizeof(short));
        printf("size of int %d\n",sizeof(int));
        printf("size of long %d\n",sizeof(long));
        printf("size of long long %d\n",sizeof(long long));
        printf("size of int* %d\n",sizeof(int *));
    }
    
    実行結果(gcc 3.4.4)
    size of short 2
    size of int 4
    size of long 8
    size of long long 8
    size of int* 8
    

    AMD64のアーキテクチャに沿ったサイズになっている(アドレス/レジスタ幅64bit, オペランドの「標準」は32bit)。ちなみにFreeBSD/i386の場合は

    size of short 2
    size of int 4
    size of long 4
    size of long long 8
    size of int* 4
    

  • ベンチマーク (on Athlon64 3000+)
    1. BYTEmark* Native Mode Benchmark ver. 2
    2. OS:amd64
      
      NUMERIC SORT        :          1458.9  :      37.41  :      12.29
      STRING SORT         :          139.92  :      62.52  :       9.68
      BITFIELD            :      2.9492e+08  :      50.59  :      10.57
      FP EMULATION        :          103.81  :      49.81  :      11.49
      FOURIER             :           13508  :      15.36  :       8.63
      ASSIGNMENT          :          16.862  :      64.16  :      16.64
      IDEA                :          2727.2  :      41.71  :      12.38
      HUFFMAN             :          1219.5  :      33.82  :      10.80
      NEURAL NET          :          21.224  :      34.09  :      14.34
      LU DECOMPOSITION    :          885.04  :      45.85  :      33.11
      
      OS:i386
      
      NUMERIC SORT        :          944.34  :      24.22  :       7.95
      STRING SORT         :          107.37  :      47.98  :       7.43
      BITFIELD            :      2.7574e+08  :      47.30  :       9.88
      FP EMULATION        :          65.393  :      31.38  :       7.24
      FOURIER             :           11638  :      13.24  :       7.43
      ASSIGNMENT          :          15.945  :      60.67  :      15.74
      IDEA                :          1934.5  :      29.59  :       8.78
      HUFFMAN             :          986.52  :      27.36  :       8.74
      NEURAL NET          :          21.945  :      35.25  :      14.83
      LU DECOMPOSITION    :          633.44  :      32.82  :      23.70
      

    3. Byte Magazine Unix Benchmark v4.1
    4. Execl Throughputのテストで計測できていない原因は未調査。

      OS:amd64
      TEST                                        BASELINE     RESULT      INDEX
      Dhrystone 2 using register variables        116700.0  8744247.9      749.3
      Double-Precision Whetstone                      55.0     1545.9      281.1
      Execl Throughput                                43.0        0.0        0.0
      File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks         3960.0    44676.0      112.8
      File Copy 256 bufsize 500 maxblocks           1655.0    57829.0      349.4
      File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks         5800.0    51758.0       89.2
      Pipe Throughput                              12440.0  1074387.4      863.7
      Pipe-based Context Switching                  4000.0    98492.8      246.2
      Process Creation                               126.0     6147.5      487.9
      Shell Scripts (8 concurrent)                     6.0      413.0      688.3
      System Call Overhead                         15000.0   762604.4      508.4
      
      OS:i386
      TEST                                        BASELINE     RESULT      INDEX
      Dhrystone 2 using register variables        116700.0  4953397.6      424.5
      Double-Precision Whetstone                      55.0     1152.3      209.5
      Execl Throughput                                43.0     1705.5      396.6
      File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks         3960.0    35398.0       89.4
      File Copy 256 bufsize 500 maxblocks           1655.0    44593.0      269.4
      File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks         5800.0    33957.0       58.5
      Pipe Throughput                              12440.0   905198.1      727.7
      Pipe-based Context Switching                  4000.0   119026.8      297.6
      Process Creation                               126.0     7162.6      568.5
      Shell Scripts (8 concurrent)                     6.0      301.0      501.7
      System Call Overhead                         15000.0   632584.6      421.7
      

    5. pari/gp(2.3.0)の make dobench
    6. ついでに計ってみた。amd64の方ではスタティックライブラリを使用した場合の 結果は出ていない

      Making dobench in Ofreebsd-amd64
      * Testing objets        for gp-dyn..TIME=2
      * Testing analyz        for gp-dyn..TIME=48
      * Testing number        for gp-dyn..TIME=50
      * Testing polyser       for gp-dyn..TIME=12
      * Testing linear        for gp-dyn..TIME=7
      * Testing elliptic      for gp-dyn..TIME=23
      * Testing sumiter       for gp-dyn..TIME=56
      * Testing graph         for gp-dyn..TIME=15
      * Testing program       for gp-dyn..TIME=22
      * Testing trans         for gp-dyn..TIME=85
      * Testing nfields       for gp-dyn..TIME=250
      +++ Total bench for gp-dyn is 370
      
      Making dobench in Ofreebsd-i386
      * Testing objets        for gp-sta..TIME=2      for gp-dyn..TIME=3
      * Testing analyz        for gp-sta..TIME=65     for gp-dyn..TIME=66
      * Testing number        for gp-sta..TIME=44     for gp-dyn..TIME=46
      * Testing polyser       for gp-sta..TIME=12     for gp-dyn..TIME=15
      * Testing linear        for gp-sta..TIME=22     for gp-dyn..TIME=24
      * Testing elliptic      for gp-sta..TIME=33     for gp-dyn..TIME=37
      * Testing sumiter       for gp-sta..TIME=34     for gp-dyn..TIME=35
      * Testing graph         for gp-sta..TIME=16     for gp-dyn..TIME=18
      * Testing program       for gp-sta..TIME=37     for gp-dyn..TIME=39
      * Testing trans         for gp-sta..TIME=125    for gp-dyn..TIME=121
      * Testing nfields       for gp-sta..TIME=326    for gp-dyn..TIME=345
      +++ Total bench for gp-sta is 455
      +++ Total bench for gp-dyn is 473
      

    AMD64の64bitモードではレジスタの構成が変わること、浮動小数点演算のデータ長さ、命令セットがSSE系に変わること等大きなアーキテクチャ上の違いがあるので簡単には比較できない。

    レジスタ退避を伴う処理では遅くなることもある。動かなくなるプログラムもある。

Posted at 02:10 in computer

Jun 13, 2006

技術空洞 補足 [本,雑誌など]

昨日の宮崎 琢磨「技術空洞 VAIO開発現場で見たソニーの凋落」なのだがどうも論旨が不明確な部分が多い。

具体的にはChapter.4の「勘違い運用されたシックスシグマ」、「日本の職人技術を殺したISO9000」、Chapter.5の「幻のスーパーオーディオCD」あたり。読み返せば他にもあるかもしれん。

「勘違い運用された...」はわかり易く変。『抽象的な話をしてもわかりにくいと思うので、ここで次の新聞記事を読んでほしい』と書いて「成功例」を上げている。 その後に

この方式が過度に運営された結果、ソニーでは誰もが目先の数字ばかりを応用になってしまった。こうして、ソニーらしい「時々故障するかもしれないが非常に面白くて斬新な機械」は、数字の前に姿を消した

と書いてある。

何が弊害かは具体的にちっとも明らかになっていない。因果関係の根拠は不明だ。主観だけで結論をひっくり返されても読者は困る。 また、上の文章は一消費者の立場からすると勘違いも甚だしい噴飯物なのでむしろ経営側の施策は正しいのではないかと思う。

というわけで「一部トンデモ風味あり、取扱注意」と評価しておく。

Posted at 01:41 in 本,雑誌など

Jun 12, 2006

ソニーネタなど [本,雑誌など]

  • 宮崎 琢磨「技術空洞 VAIO開発現場で見たソニーの凋落」(光文社 952円) ISBN4-334-93379-3
  • まず最初に。文中やたら英単語が挟まっていて読み辛い。どうやらこの「光文社ペーパーバックシリーズ」はこういう体裁をとっているらしい。

    最初のページあたりに『英語(あるいは他の外国語)をそのままとりいれた「4重表記」で書かれています。』とある。漢字仮名交じりの「3重表記」にもう一つ積極的に足してみたという意味らしいのだが、編集が何かの勘違いしているように思う。混ざっている英単語はその前に日本語で書いてある言葉の繰り返しになっているため読んでいて引っかかることが多い。英語か日本語どちらかであればまだマシだがこれでは思考を中断させられることが多く不快だ。

    内容そのものはソニーの技術陣が如何にスポイルされていったかを現場から書いたものでそこそこ興味深い。 ありがちな話と言えばその通りかもしれないし、これが取捨選択したもので結果に合わせて経過を再構成したものでないという証拠もない。個人的にはリアリティのある話だったと言える。

    ところである別の会社の話だが(事情を知らん人には何の事だかわからんだろうから読み飛ばしてほしい)

    ソニーのように独自の技術で食っている会社じゃなく、平凡かつ陳腐な技術で食っている会社がある。所謂「IT系」の企業だと思いねぇ。業績的にはいいので事業拡張を行っているがそれを支えるだけの技術者は確保できない。派遣や契約社員で確保するにも色々問題があるらしい。

    それでどういう解決策を考えたか。理系以外の採用者もそっちの方に振り分ける。マニュアル化、標準化を進めて個々の社員にはスキルや創造性を求めない。専門性も求めない。誰がどこの仕事をやっても必要な事ができるような体制にするということらしい。

    さて、この会社はどうなるか? なかなか興味深いところである。 短期的には『生産性』が改善されるかもしれない。だが技術系の社員のスキルとモラルは壊滅すると思う。コンサルタントと外注のみにした方がまだまし。

    うみゅ。訳の判らん話でごめん...

Posted at 01:39 in 本,雑誌など

ビデオボード [computer]

  • 玄人志向 GF6600LE-E12(79800円)
  • ファンレスのPCI-expressのカード。GeForceのボードは今まで使っていなかったり。

Posted at 00:35 in computer

Video 諸星大二郎原作(生命の木) [その他]

  • 奇談 スペシャルエディション(ジェネオンエンタテイメント) 4970円 GNBD-1144
  • 主演:藤澤恵麻、稗田礼二郎:阿部寛というキャスト。これは買うしかー。

    しかし映画公開時(2005)には全然知らなかったり。

Posted at 00:35 in その他

某所のパケットフィルタをipfilterからpfに変更してみる [computer]

基本的なルールの書き方はipfilterとpfはよく似ているのだが、pfはマクロ、リスト、テーブルが使えるので印象はずいぶん違ってくる。pfの方が整理した形で書ける。

pfはnatのルールも同一の設定ファイルに書く点も異なる。

あとはパケット正規化とかALTQなどのパケットのスケジューリングとか

Posted at 00:12 in computer

Jun 05, 2006

コミックス&技術系 [本,雑誌など]

買ったけど読んでいない物がそこそこあるなあというこの頃
  • あさりよしとお「少女探偵金田はじめの事件簿」(白泉社 571円) ISBN4-592-14253-5
  • ここに書く時に「あ、白泉社から出ているんだ」と...

    カールビンソン風の不条理ギャグ。これはネタ元のフォーマットがあってそれをあるお約束に従って外し、破壊していくことで笑いを取っている...って程度の分析はつまらんかね。

  • あさりよしとお「HAL」(ワニブックス 580円) ISBN4-8470-3539-9
  • 新装版。 「まんがサイエンス」とは違ってウソ満載の本作。読者にもそれなりの知識が要求されるのでこちらの方が描く方も読む方も難しい。

  • とり・みき「パシパエーの宴」(チクマ秀版社 1600円)ISBN4-8050-0449-5
  • とり・みきのシリアス系かつかなりヤバめの作品集。あさりよしとおのヤバめ作品もかなり危険だがこれもかなり危険。電車の中では読まない方がよさそう。

    表題作の「パシパエーの宴」は小松左京の「くだんのはは」をモチーフにした作品。 石ノ森章太郎氏によるコミック化は原作に忠実なものだがこちらはストーリーは完全に別物。半村良の伝奇物に通じるような味わいがある。ページ数を考えると異様に密度が濃い。とり・みきのシリアス系の場合読者に対して不親切になってしまいがちの場合も多々あるが。

  • 芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行(14)」(講談社 495円)ISBN4-06-321176-2
  • 特に大きな展開はなく時間が流れて...。この作品の場合これもあり、と思ってしまう。

  • 雑誌 「インターフェース 7月号」(CQ出版社 980円)
  • SH2のモニタとかGCCとか

  • 長田美彦 「Solaris10 サーバ構築バイブル」(毎日コミュニケーションズ 4000円) ISBN4-8399-1882-1
  • Solaris10のインストールCD欲しいなあと...この本は比較的まともという話を聞いたので。

  • 川合秀美「30日でできる! OS自作入門」(毎日コミュニケーションズ 3800円) ISBN4-8399-1984-4
  • 初版第5刷だった。思ったより売れているってことだな。これが色々ダメなのは聞いていたし、ぱらぱら目次や内容を読み飛ばしてみたところアプローチがダメダメなのはわかったがそれでも興味があったので。かつて同じように中途半端な内容の雑誌連載をしていた身としては興味湧くよ。

    ま、読んでみるか。

Posted at 01:14 in 本,雑誌など