Nov 06, 2006
プロセスの成熟度 [computer]
最近、「ワインバーグのシステム思考法」ISBN4-320-02706-X, 「ワインバーグのシステム洞察法」ISBN4-320-02707-8 あたりを読んでいる。
流石ワインバーグといったところで中々含蓄のあることが書いてある。論旨を掴むのに苦労する部分が多々あるが。 ビル・カーチスの「ソフトウェア人的資源成熟度モデル」を組織のありかたを分類するのに用いている(以下の部分には私の解釈が入っている)。
- 無意識 : プロセスを実行していることに気が付いていない。
- 可変 : いままさにやりたいことをやる
- 慣習 : (パニックに遭遇したとき以外は)慣習に従う
- 舵取り : 結果によって慣習を選別する
- 予知 : 過去の経験に基づいて慣習を確立する
- 適合 : 誰もがいつもあらゆる改善に没頭している
使い捨てプログラミング、マクロ作成、ある種のフリーソフト。ユーザは(意識上は)自分一人。
立ち上げたばかりのベンチャー企業。趣味のプログラミング、フリーソフト/オープンソースのソフトウェア作成の多くはこれに該当すると思われる。
可変では対応しきれなくなった組織で発生する。ルール化。手順化。 品質管理の考え方の導入。 圧力、命令による管理。 「管理者のすべき事はすべての人が正しい順序で正しいステップを踏むことを確実にすること」
往々にして異常事態(スケジュールの遅れ等)に対応できない。 管理者はプログラマを信用しない。 各種のツールを導入するが適切に使われていないことが多い。
命令ではなく理解によって制御をする有能な管理者。 客観的な観察、計測の結果によりやりかたを変えていく。 ツールは適切に利用される。何か問題が起きてもあらかじめ対応の手段を持っている。
「舵取り」の管理者よりもさらに高次の理解と対応手段を持った管理者。 問題が起きてから対応するのではなく、予測によって対応できる。 現実の組織にはほとんど存在しない。
組織の誰もが手順を理解し、それに従い不断に改善を行う。 プロセスは高度に最適化される。そんな組織は(少なくとも今のところ)存在しない。
ところで「価値」とは狭義には「目的に対する適合の度合」なのだそうだ (と私は解釈)。 目的は人や場合によって異なる。なるほど。
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