Nov 06, 2006

電池のはなし [その他]

某日記の2006/11/01の話。これ昔の学研の科学の教材(おまけ)そのものじゃないかと思った。

探してみると、予想通りこちらの大人の科学のページにネタがある。約3000円

というわけで手元の材料を使って自分でも試してみた。というのは実は逆で休日の暇潰しに自分で作ってみた後で「大人の科学」のページを探した。消極剤に過酸化水素水を使うというのは確かに昔やった覚えがあるなあ。

  1. 材料
  2. 亜鉛に炭素棒なんてのも考えたが亜鉛板なんてその辺には売っていない。東急ハンズあたりならあるのかもしれん。虹色っぽい色のついたのが亜鉛メッキ品だったよなあ、とは思ったが合金の場合もあるので止め。陰極はアルミホイルでいいや。
    • シャープペンシルの芯 : 陽極
    • いつ買ったか判らない0.5mm, HBのもの。手元にあった竹炭も試したが内部抵抗が高過ぎなので止め。上記の「大人の科学」では活性炭や備長炭を使っている。売っていなくもないが少量は買いにくいね。これらの炭は炭化の度合が高いので電気伝導度が高いというのはどこかで見たことがある。

    • アルミホイル : 陰極
    • その辺にあったもの。

    • クエン酸 : 電解質
    • 食塩水でも発電できることは知っていたが、手持ちがあるのでせっかくだから。 普通に試薬用の瓶は薬局で買える。500g 1132円ってラベルが張ってあった。 粒状の結晶。なめるととってもすっぱい。 塩酸も身分証明書と印鑑持っていけば薬局で買えるけど。

  3. 製作
  4. クエン酸小さじ1杯、水数ml(適当) このあたり適当でも起電力についてはそれほど変わらないはず。0.64V程度の電圧が得られている。やや低目だが。 Cell1 (handmaid)

  5. 扱いやすくする
  6. 0.6V程度ではLEDも光らない。シリコンダイオードでは動作時の順方向降下電圧は0.6V程度だがLEDの場合光エネルギーに変換するためのバンドギャップ電圧等も必要であり2V近い順方向降下電圧がある。いくつか直列にすれば光らせる事もできるかもしれない。 また4〜6セルぐらい直列にして3V程度にすれば低消費電力なCMOS回路を動かすことができる。PICやH8等のライトなCPUを低速で動かすことはできるかもしれない。

    プラスチックのカップをいくつも並べるのは面倒なのでいくらか扱い易くする。 電解液をティッシュに染み込ませて容器不要にしてみる。

  7. 製作その2
  8. 電解液を染み込ませたティッシュをシャープの芯に巻き付け、アルミホイルで 包む。アルミホイルと芯が直接接触しないようにする必要がある。

    何やら怪しげなものを作っているような雰囲気があるが気にしない。

    Cell2 (handmaid)

    できあがったセル。0.75V程度でている。これを3〜4セルぐらい直列に繋げばLEDを光らせたりCPUを動かしたりすることができるかもしれない。

    「健康法」もあるクエン酸とアルミホイルで作る「電池」なのであるからきっとマスコミ受けもいいだろう(馬w。

    Cell3 (handmaid)

時間の関係もありとりあえずここまで

Posted at 01:25 in その他

プロセスの成熟度 [computer]

最近、「ワインバーグのシステム思考法」ISBN4-320-02706-X, 「ワインバーグのシステム洞察法」ISBN4-320-02707-8 あたりを読んでいる。

流石ワインバーグといったところで中々含蓄のあることが書いてある。論旨を掴むのに苦労する部分が多々あるが。 ビル・カーチスの「ソフトウェア人的資源成熟度モデル」を組織のありかたを分類するのに用いている(以下の部分には私の解釈が入っている)。

  1. 無意識 : プロセスを実行していることに気が付いていない。
  2. 使い捨てプログラミング、マクロ作成、ある種のフリーソフト。ユーザは(意識上は)自分一人。

  3. 可変 : いままさにやりたいことをやる
  4. 立ち上げたばかりのベンチャー企業。趣味のプログラミング、フリーソフト/オープンソースのソフトウェア作成の多くはこれに該当すると思われる。

  5. 慣習 : (パニックに遭遇したとき以外は)慣習に従う
  6. 可変では対応しきれなくなった組織で発生する。ルール化。手順化。 品質管理の考え方の導入。 圧力、命令による管理。 「管理者のすべき事はすべての人が正しい順序で正しいステップを踏むことを確実にすること」

    往々にして異常事態(スケジュールの遅れ等)に対応できない。 管理者はプログラマを信用しない。 各種のツールを導入するが適切に使われていないことが多い。

  7. 舵取り : 結果によって慣習を選別する
  8. 命令ではなく理解によって制御をする有能な管理者。 客観的な観察、計測の結果によりやりかたを変えていく。 ツールは適切に利用される。何か問題が起きてもあらかじめ対応の手段を持っている。

  9. 予知 : 過去の経験に基づいて慣習を確立する
  10. 「舵取り」の管理者よりもさらに高次の理解と対応手段を持った管理者。 問題が起きてから対応するのではなく、予測によって対応できる。 現実の組織にはほとんど存在しない。

  11. 適合 : 誰もがいつもあらゆる改善に没頭している
  12. 組織の誰もが手順を理解し、それに従い不断に改善を行う。 プロセスは高度に最適化される。そんな組織は(少なくとも今のところ)存在しない。

ところで「価値」とは狭義には「目的に対する適合の度合」なのだそうだ (と私は解釈)。 目的は人や場合によって異なる。なるほど。

Posted at 01:03 in computer